「崎本くんっ!」 出るタイミングを見計らっていたかのように、崎本くんが登校してくる。 「そうだ!虎くんって榛名くんの親友だったわよね?」 それまで自分に向けられていた視線が、今度は彼へと移る。 「あー……うん」 「じゃあ、知ってるんじゃない?佐脇さんと榛名くんのこと!」 「……何のこと?」 眠たそうに大欠伸する崎本くんに、 「だから!二人が付き合ってるんじゃないかって噂!」 そう言ってみんなが詰め寄った。