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わたしは大嫌いな数学と戦っていた。
なんでここがこうなるの?
もー意味わかんないよ〜…
ふ、と視線を感じて顔をあげると
那智がわたしを見つめながら
ニタニタ笑っていた。
『?』
「なんでもないよ(笑)」
『なに?気になる、言ってよ』
笑われる心当たりなど微塵もないわたし。
『いや、ゆずかってさ…』
『なんでそんなぼーっとしてんの?』
「‥はい?普通に問題
解いてるだけですけど(笑)」
『うそだぁー絶対なんも考えてないでしょ』
「嘘じゃないよ!」
『ううん、あれは“無”の顔だった(笑)』
「なんでよーちゃんと考えてるもん!」