そうこうしているうちに、教室についた。
2-B。そうしるされたプレートのかかった教室の中は、わいわい騒がしい。
「……」
あの頃の恐怖がよみがえり、思わずすくんだ私に気づいて、海斗が
「大丈夫だよ」
と言って、ぽんと頭の上に手を載せた。

あったかくて大きい、カイトの手。

手をのせただけなのに、不安や恐怖は全て溶けたように無くなった。

ゆっくりと、教室に入る。
カイトの後ろに隠れるようにして、教室に足を踏み入れた。