青年は首をゴキゴキしたり、腕を回したりしていた。



「………名前名乗る気ないでしょう」


「お前じゃねえんだからそれはねえよ」



その返答に李香は「ああ、そうですか」と、素っ気ない返事を返した。


多分今までのやりとりでいろいろと疲れたから体を動かしたんだろう。



「で、名前を名乗るのが遅れたがオレの名前は"紅牙"(コウガ)だ」


「それはどうも初めましてこんにちは。じゃあさようなら」



李香は自己紹介が終わると手で窓の方向を指した。


さあ、さっさと帰れと言わんばかりに丁寧に窓も開けている。


李香にまともに話を聞かせるというのが無理な事なのかもしれない。



「次はお前の番だ」



バカなのにこういう事だけは覚えてる、紅牙という青年。