やっとまともに話せる所まできたからか、青年は一つ溜め息を吐いた。



「随分とお疲れみたいですね」


「お前のせいだろう」


「そうですか。それはすいません」


「……本気で思ってねえだろ」


「そうですね」



労わりの言葉なく、さっさっと帰ってオーラーを出しながら発する。


しかし青年はそんな言葉をものともせず、普通に喋り出した。



「で、本題だが」


「まず、名前名乗ってくれません?」


「あ?言って無かったか?」


「……あなたバカでしょう」



始まるかと思いきや最初の挨拶もしてなかった事も忘れていた、この赤茶髪の青年は見た目通りバカらしい。