李香は半信半疑で一応その条件を聞くことにした。簡単な事で引き取ってくれるならそれが一番だからだ。



「………なにをすればいいんですか」


「交渉する気はあるようだな」


「気が変わらないうちに言ったらどうですか」



黒縁眼鏡をかけた青髪の青年は顔に笑顔貼り付けた。これは李香にとってはあまりよくない、いやかなり嫌な交換条件だ。



「さっさとそこのバカと"契約"して、成すべきことをしろ」


「そもそもその"契約"の内容も聞かされてもないのに出来るわけないじゃないですか」


「……聞かなかったのか」


「聞かせてももらえなかったんですけどこっちは」



再び黒縁眼鏡をかけた青髪の青年の矛先が紅牙に向いた。