気を取り直して始めからやっと語りだした紅牙は、正座をさせられて語っていた。


やらせたのはもちろん黒縁眼鏡をかけた青髪の青年だ。


そのやらせた本人はその部屋の主人の許可無く、勝手に椅子に座り紅牙を冷たい目で見降ろしていた。



「………ここ私の部屋のはずなんだけど」


「何か言ったか人間の女」



ボソッと言っただけの小言くらい聞き流せばいいのにわざわざ聞き返してきた。


おまけに効果音がつくなら、ギロ、だろう。


紅牙がなかなか話さなかったからといってこっちに八つ当たりは止めてもらいたい思う李香だった。


こっちはこっちで大人気無い。