李香は二人と見比べた。そして分かった事が一つある。


それは、この黒緑眼鏡をかけた青髪の青年のほうが紅牙より遥かに力関係では上だということ。


理由は紅牙がちっとも目を合わせようとしない。ちらっと見ようにもあの笑顔を真正面に受ける勇気が無いらしい。



「さあお前が今何をしようとしたか説明を簡潔に述べろ。
俺の目をちゃんと見てな」


「笑顔をまず止めろ!お前のその笑顔の時っていい事何にもなかったぞ!」


「お前は俺に意見できる立場か?」



紅牙が「ひっ!」と短い悲鳴を上げた。そりゃ悲鳴も上げたくなるか。


笑顔を崩さずに圧力をかけられれば。悲鳴の一つや二つは上げたくもなる。



「俺が笑顔でいられるうちに吐け」


「言葉悪くなってるぞ!」


「丁寧に言って欲しいか?」



再び紅牙の短い悲鳴が出た。