李香は紅牙が戻したと思ってたのに、その本人は『なんで戻った』という困惑顔をしていた。



「・・・・・・時間切れですか?」


「微妙に嬉しそうだなお前」



それもそのはず、さっきまでの顔の表情が、持続時間短いですね、とバカにしている表情で、クスリ、と笑っていたからだ。


あまり感情が出ない李香にここまで表情を読み取れるまでにした紅牙は、ある意味凄い奴かもしれない。



「もし、コレが人の意思を無視して勝手に誘拐まがいな事をした貴方じゃないんなら新手の何かですか?」


「お前マジでオレの事キライだろ」


「再確認しなくても話す前から分かっていた事じゃないですか。
やっぱりバカだったんですね」



そう言うと、小さく鼻で笑った。