『まずは、市川瀬衣くんね。』

担任の甘ったるい声とともに始まる。

「市川です、よろしく。」

適当に、短く終わらせる。

『市川瀬衣くんに質問がある人?』

手を上げたのは、俺の近くに座ってる奴ら。

『瀬衣さま、身長はおいくつですか?』

「176だと、思う。」

『そのピアスは、皆さんでお揃いなのですか?』

「そだよ。」

『彼氏、居ますか?』

真っ赤な顔の男からの質問。これは毎年ある。

「いねぇ、興味ねえ。」

そして、これは毎年同じ答え。

『っじゃあ、彼女、、は?』

「いねぇ、興味ねえ。」

ここらで、俺への質問は終わる。