大学に進学するという道もあったが、進学を選ばずに就職することを選んだ。

大学に行けばまた学費がかかり、母親に迷惑がかかるから、就職して自立したいと思ったからだ。

就職すると決めたことで、就職するところを自分で決めることが出来るという自由を手にした。

その自由があったから、就職先に選んだところは昔住んでいた家の近くにあったガス会社にした。

仕事を始めてから、家に帰らなくても社会人だから文句は言われない。

ただ、幸一がいなくても狂ってしまった歯車が直ることはなかった…。

そんな狂った歯車が直ったのは思いもしない形で、突然の終わりだった。