私は愛美があまりに真っ直ぐな綺麗な瞳で見つめるから、
何も言葉が出ずにただ二人を見つめ返すことしか出来なかった。
ただ、なんの根拠もないけど
この二人なら大丈夫って、本気でそう思った。
大袈裟な言い方をすれば、【運命】みたいなモノを感じれるくらいだった。
『梨花さん、なんか言ってくださいよ!!』
愛美が恥ずかしそうに笑った。
『あっうん、良かったね』
もっと気の利いた言葉があったはずなのに、
あまりに二人が幸せそうで頭がボーっとしていた。
『じゃあ、せっかくだし私はそろそろ帰るね。』
そう言うと、
『じゃあ俺らも帰ろうか。』
そう言って圭輔くんと愛美も席を立つ。
(俺らって…マジで一緒に帰るつもりなのかな〜?)
会計を済ませながらそんな事を考えていた。
外に出ると、私の心配をよそに二人は手を繋いでタクシーを探してた。
『梨花さん、話聞いてもらうつもりが付き合わせてスイマセンでした。』
手を繋ぎながら愛美が言う。
『明日、遅刻しないようにね。じゃあ、おやすみ』
私は、二人に笑顔で手を振って歩いて帰った。