『お疲れ〜』

『お疲れさまで〜す』



毎日ここで仕事が終わってから愛美と乾杯することが当たり前になっていた。


『結局、今日も来ちゃったね』


『はい、私達って常連客ですよね〜キャハハ』



いつも同じメニューを注文するから店員さんも覚えてくれているくらいだった。


『家にいるみたいに落ち着きますよね』


愛美がそんな事を言いながら、どこか遠くを見つめていた。



『で?圭輔くんは何て?』

急に話題を変える。


『別に何もなかったですよぉ!ただ番号教えて…あと一人暮らしかって聞かれたんですけど…どう思いますか?』



『え〜!そんな事聞かれたの〜?で、正直に言ったの?』


『……はい。しかも今日泊めてって言われました』



『はぁ?マジ?何それ。』


私は圭輔くんに腹が立ち始めていた。



『だから、今日さっき梨花さんが圭輔くんに電話して呼び出してくれて嬉しかったんです。』


『…どうして?』


『だって、一人の時に電話あったら多分…家に入れちゃってたと思うんです。』


愛美はどうしたらいいかわからない顔をしていた。



『愛美は正直、どうしたいの?』


『わからないです…でも、遊ばれるのは嫌です。』



『…そっか、じゃあ後で圭輔くんに聞こうよ。私もいるから、ねっ?』


愛美は静かに頷いた。