─私は高校を卒業して進学しずに、
不況の煽りを受けて、
就職も出来ず、卒業してすぐ水商売という道を選んだ。
正確に言えば、生活するのに一番早くお金を稼ぐ方法だった。
18歳の頃は、就職先が見付かれば辞めようと思っていたのに、
気付けば23歳になっていた。
5年も続けていた。
今は6年目に入って、3年前から今の店でナンバー1になった。
そこまで真剣にやってきたつもりは全くなかったけれど、
初めてナンバー1になった時、
辞めるまでに、水商売をやってきた足跡みたいなものを
残したくなって頑張ろうと思った。
いつの間にか、就職するなんて事は頭から離れていて、
水商売を辞める時は【結婚】しかないと思っていた。