『『お疲れ〜!!!』』


取り合えず生中で乾杯して一気に飲み干す。


テーブルの向こうには哲也と一緒に、

顔馴染みの先輩の圭輔くんも座ってた。

圭輔くんから、私の携帯番号を教えてもらって電話してきたらしい。



『梨花、今どこの店にいんの?』

圭輔くんが切り出す。




『昔っから変わってないよ。角のビルのまんま〜。』

『梨花って確か、ずっとナンバー1なんだろ?』


『ナンバー1って言っても小さい店だからだよ…。実際、給料そんなに良くないし。嫌な役やらされてるだけだよ』

私はジョッキを片手にテーブルに目を伏せる。


『そうか〜。店あんま忙しくないんか?』


(ヤバいなぁ空気重くなりそう…)

私は仕事中みたいな笑顔で二人に聞いた。

『圭輔くんとテツは何やってんの?』



『俺も変わってねぇよ。哲也がこっち帰って来て、仕事ないって言ったから、俺のいる店に紹介して一緒に働いてるんだ。』


─圭輔くんの働いてる店は大きなクラブで圭輔くんはその店でマネージャーをやっていた。


『へぇ、そうなんだ?じゃあ終わってからちょくちょく会えるようになるね。』

何だか、懐かしい顔を見て嬉しくなったのか、

私は満面の笑みで哲也にこう言っていた。



哲也はつられて笑いながら、

『梨花、変わらねぇなぁ』

と煙草に火をつける。



(テツも全然変わってないなぁ〜。やっぱ少しは老けたかな?)


私も煙草に火をつけた。