─次の日、

私は後悔しまくっていた。


(なんであんな事言ったんだろぉ?…普通に行くよって言ったら、また会えたかも知れないのに…)



またどうしようもなくなって、非常階段に逃げ込んだ。


─その日の空は澄んでいて、
やたらと丸い月が綺麗に浮かんでいた─




煙草に火をつけ、月に見とれていた時、

店から私を呼ぶ声がする。



『─梨花さぁ〜ん─』

パタパタと足音がして、ボーイが私を見付けて


『哲也って方がいらっしゃってますよ?指名で梨花さんいるかって聞いてましたけど…』


と言った。




(……っっ?テツ?なんでだろ?)



慌てて煙草を消して、店に戻った。