私は急いで店内に戻り、早く帰れるようにマネージャーにお願いしてみる。


幸い指名客が帰るところだったから、あっさり了解を得る事が出来た。





(あ〜本当寒いなぁ…)



店を出て、街を歩きながらカバンから携帯を取り出し、

着信履歴から哲也の番号を出す。




─プルルルル─



『あ〜テツ?もう上がらせてもらったんだけど…今、どこ?』



哲也から指定された店は

仕事先の店からすぐ近くの居酒屋だった。




─いらっしゃいませ〜!─

元気な店員の声が響く。


(テツどこに座ってるんだろ〜?)


キョロキョロと店内を見渡すと、

懐かしい顔が目に入った。




『おぉ〜!梨花!こっちこっち〜!』


私に気付いた哲也が笑って手を振る。



『きゃ〜!テツ、久しぶり〜!元気だったぁ〜?何年振り〜?』



2年振りの再会にテンションが上がる。



『まぁ、取り合えずこっち座れよ。』


哲也が自分の隣に招く。