『私、彼氏の他に気になってる人がいて…結局、彼氏とは別れられないのに、その人と会えなくなるのも嫌だと言うか…それでずっと悩んでるんですけど答えが見付からなくて…』




店長は黙って私の話を聞いてくれていた。




『どっちも好きなのに、どっちかを選ばなきゃならないなんて…でも、いつかはちゃんと答えを出さなきゃならないんですよね…』





私は今まで誰にも話せなかった悩みを、


彼氏の事も、洸太の事も知らない店長に話していた。





『愛美が、今月いっぱいで辞めるんだ』



店長が突然そう言った。


私は自分の話ばかりしていたから、


突然すぎる店長の言葉を理解するのに時間がかかった。




『…えっ?今何て…?』