しばらく見つめて、真面目な顔で


『なんて言ってた?』


って聞いてきた。



洸太の顔が10センチくらいの場所にあって、


真っ直ぐ私を見つめるから、


心臓が鼓動を早くする。




『梨花って呼んだだけだよ』



私が言い終わる前くらいに、

洸太の唇が触れた。



『…ん…こう…た?』




息が出来なくなるくらいの長いキスだった。


洸太の気持ちが痛いほど伝わってくる。



『…洸太?ダメだよ…仕事の準備しなくちゃ…』





結局、洸太に求められるがまま肌を重ねてしまった。




『俺、本当に寝言で梨花って言ったの?』