(みんなが言ってる愛美が取った私の客って誰だろう…真田さん以外にマンションに出入りするって…やっぱ圭輔くんしかいないよなぁ…みんな圭輔くんが私を指名で来てたのを私の客と勘違いしてたんだろぉな…)


私は店に行く準備をしながら店長に言われた事を考えていた。



(店に着いたら愛美と何て話せばいいんだろう…)



店じゃなくても電話でも良かったのに、電話する気にはなれなかった。



(…私が愛美を避けてたせいで、結果、愛美を追い詰めてしまったかも知れない)


そう思うと、愛美とは埋まらないほど溝が深くなっているような気がした。



『…はぁ』


大きな溜め息ばかりが一人の部屋に響きわたっていた。