『やっぱ、昼間でもまだ少し肌寒いね』


そう言うと、繋いだ手を彼氏のポッケに入れた。


彼氏と過ごす時間は、こんな小さな事も幸せに感じられた。


洸太に抱くようなドキドキ感は無かったけれど、


愛されている、そう思える安心感があった。



彼氏は普段の私を知らない。

彼氏と過ごす時間が一番、素でいられた。


綺麗な化粧もしなくていい。

肌の露出した服を着なくてもいい。

甘ったるい声を出さなくてもいい。

無理に笑わなくてもいい。


それが、幸せだと思った。