『あぁ〜やっぱりまだ蕾が多いね』


桜はまだ二分咲きと言ったところだった。


『再来週くらいになれば、もっと綺麗かもね。』


それでも彼氏は嬉しそうに笑っていた。


『満開が見たかったなぁ…』

そう呟くと、


『来年は見られるよ。』


そう優しく微笑んだ。



私は彼氏の笑顔を見て、

心が少しだけチクッと痛んだ。



川沿いに桜の木が何百本と並んでいる景色は、


とても綺麗で優しい気持ちになった。


私は毎日の喧騒から離れて、

とても癒されていた。