新幹線で雑誌1冊にじっくり目を通せば、
彼氏が住んでいる街に着く。
ホームに降りて改札に向かうと、
見慣れた笑顔で出迎えてくれる。
『家まで行くから、わざわざ迎えに来なくても良かったのに…』
『久しぶりに電車乗って疲れたろ?ホラっ』
そう言って、私のカバンを持ってくれる。
『お腹は?空いてない?』
『うん、今はまだいい』
『じゃあ、家に行く前に桜見に行こっか?それか、どっか行きたいとこある?』
『うん、桜見たい…まだ咲いてないでしょ?』
『どぉかな…?梨花ちゃんの方は?まだ咲いてない?』
『昼間は外に出ないもん』
『そっか…そうだね、眠くない?』
『…ん』
彼氏との会話はいつもこんな感じ。
彼氏は常に私に気を遣ってくれて優しかった。