─ジリリリリ─
久しぶりに目覚まし時計の音で目を覚ます。
(ふぁ〜眠た…)
彼氏と会うときは、必ず早起きしていた。
私が夜働いている事を、彼氏は認めてくれていた。
だから、ゆっくり来たらいいよって言ってくれるけど、
私は彼氏の前ではキャバ嬢である事を忘れたかった。
いつものような派手なメイクではなく、
薄目のメイクをして、可愛らしい春色のコートを着て
駅へと向かった。
チケットを買い、キヨスクで雑誌とお茶を買って、
新幹線に乗った。
(新幹線乗るの…何ヵ月振りだろう?)
彼氏には一ヶ月に一度くらいは会っていたけれど、
私から会いに行くのは久しぶりだった。
洸太の事もあって…少し彼氏の事は考えないようにしていた。