そんな日に限って、珍しく店は盛況していて、

終わった時には思った以上に遅くなっていた。


慌てて哲也に電話する。



『ゴメン!!今終わったとこだけど、時間大丈夫?』

(またにしようって言うかなぁ?)


心配をよそに哲也は、

『お疲れ〜。こないだの居酒屋で取り合えず飯食ってたから、い〜よ!!お前、腹減ってるなら先にこっち来て食えよ。』



…ホッとして胸を撫で下ろす。


『ううん、お腹空いてないからいいや。取り合えず居酒屋の前まで行くから、外出てきて〜。』



そう言って急いで居酒屋に向かった。






『おっせぇ〜ぞ、梨花。』

居酒屋の前に着いた時にはもう哲也が店の外で待っていた。


悪戯っぽく笑う哲也に、

両手を合わせて、

『ごっめ〜ん!!!』

と冗談ぽく謝る。



ずっと会ってなかったのに、少しも変わらないでいられる哲也に安心感みたいなものを感じた。