「お待たせしました
ピーチティーです。」
「きれいね、桃ちゃんと入ってる!
…どうしてピーチティーなの?」
「桃は夏バテ予防になりますから」
「へえーありがと
いただくわ」
「どうぞ」
こんなやりとりを
ほぼ毎日送っている
お客としてやってきた彼女に
僕は紅茶をだす。
このカウンターと言う壁を
越えられずに毎日
切なくなるのを押さえて…
「あ、今日は朝のうちに焼いた
タルトがあるんです
食べますか?」
「甘いものには目がないの
知ってるでしょ?」
「..ちょっと待ってくださいね」
知ってるよ、甘いものが大好きで
苦いものが嫌い
だから苦いものは
アレ以来だしてない