―初夏 いやもはや初夏とは言えない程の暑さ 僕は親父がほったらかしの 喫茶店を開ける 《open》 とは言っても、寂れた店に来る客は そう多くはない。 だから暑さで枯れてしまわぬように 玄関の花に水をあげていた 「あっついなー……」 …あの人が来るまでまだ時間あるな… この待つ時間が たまらなくもどかしく、 たまらなく恋しい。