「トイレ行って来るから待っててな」
そう言って仁が部屋を出て行ったのを確認して、大きく深呼吸。
今日だけで何回キスしたんだろう。
あたしの心臓よく壊れなかったな。
なんて一人笑いながら、
ふと目に入った仁の机の上。
そこには1つのラッピングされた箱があった。
あ、美代さんから貰ったチョコかな。
家族から貰うって言ってたもんね。
それを見ながら、自分のチョコの存在を思い出した。
あ、鞄どこ置いたっけ?
キョロキョロと辺りを見回すと、
ちょうど仁の机の横に置かれた鞄を見つけ、手を伸ばす。
その時だった。
あたしの鞄を退けた、
その下に落ちている紙のような物。
ん?
何だこれ。
拾いあげると、そこには可愛い女の子の字で
“今年も義理(笑)お返しヨロシクネー♪ REIKO”
れいこ?
えっと、美代さんは……美代だよね?
れいこ美代?
いやいや、そんなわけない。
じゃあ、これって……?