「綾さん、可愛過ぎやって」



溜息まじりの甘い囁き。

白いシャツのボタンを乱暴に外す姿。



「じ、じ、じ、仁!?」



第3ボタンまで外すと、
逞しい肌がチラチラと見えて、
あたしは真っ赤になって目を逸らした。



「焦り過ぎ」



と、あたしの髪に手を通し笑う、その顔があまりにもかっこよくて。

ドキドキと煩い心臓の音しか聞こえない。

どうしたらいいのか、わからないあたしは目をギュッと瞑った。



何度も降る優しいキスと。

何度も名前を呼ぶ優しい声と。

何度もあたしを撫でる優しい手に。



次、目を開けた時は自然と微笑む事が出来たんだ。



それなのに。



仁の部屋に鳴り響く携帯の着信音。


誰よー、いいところで邪魔するのはっ!

そう思って諦めたあたしと、
そんなのはお構いなしとばかりに続行する仁。



え、ちょ、仁!?



「じ、仁。携帯鳴ってるよ?」

「出ーへん」



って、えぇ?

少し拗ねた仁の顔が可愛くて、
ちょっと笑ってしまう。


だって、さっきまでの恐いくらいにかっこよかった仁とのギャップがあり過ぎて。