恥ずかしそうに顔をあげた仁が、
「笑いすぎ」
って少し膨れて言うのも可愛くて。
キスしたいな。
そう思っちゃったんだ。
だけど、自分からなんて絶対出来ないし……。
今の体勢だと、出来なくもないけど。
その時だった。
――チュッ
突然、触れた唇。
あまりの速さに、
あたしはそのままの体勢から何も変わらず。
え?
今の何?
って、キスか。
久しぶりのキスに、
後からドキドキと煩くなる心臓。
仁は、顔を下に向けちゃったし。
えっと……どうすればいいのかな?
「え。あー、えっと……」
何だか照れちゃって、
まともに話せなくて。
あたしの表情を伺うように、
ゆっくりと顔をあげる仁と目が合う。
伸びてきた手が、
あたしの頬に優しく触れる。
そして、
さっきより少し長いキス。