一人、悶々と考えながら何度も何度も発信ボタンの上に指を置き、
そして離す。
繰り返してるうちに、
気持ちはどんどん落ちていって
今にも泣きそうになる自分自身に笑ってしまった。
あたし、どれだけ好きなのよ。
付き合って上手く行かなかったら。
って悩んでる場合なのかな。
そんな気持ちより遥かに、
好き。が勝ってるくせに。
覚悟を決めて。
というか、
声が聴きたくて仕方なくて……
発信ボタンを押そうとした時だった。
突然画面いっぱいに現れるメール受信のお知らせ。
「わっ!」
一人緊張していたあたしは、
ドキリとして携帯を投げ出してしまった。
もう!
こっちが覚悟決めた時に、誰!?
メールを送ってくれた相手に、
勝手に怒りながらもボタンを操作すると
あたしの頬が緩む。
だって、それは。
“カウントダウウン行くやんな?”
仁からのメールで。
あたしが携帯にかけようとしていた時、
仁はあたしにメールしてくれたんだと思うと嬉しくて溜まらない。
何の迷いもなく
“うん、行く!”
と返事を返すと
“返信早いな(笑)
んじゃ迎えに行くな”
と、すぐ返ってきた。
寝転んでいた体を起こすと
座り込んだベッドの上で
両手で携帯を持ちながら、
それを何度も読む。