「んん、……仁?」
いつの間にか眠ってしまっていたあたしが目を覚ますと、
隣で穏やかな顔をしてあたしを見つめる仁と目が合った。
「起きてたの?」
「ん」
やだ、寝顔見られちゃった?
やーだ。
不細工な顔してなかったかなぁ!?
手櫛で髪を整えるあたしに
「何してん?」
クスクスと笑う声が心地良く響く。
あたしの手を取り、
指を絡め、
寝転んだままその絡まった手を上にあげる。
「どうしたの、仁?」
キョトンとするあたしに
「んー?」
そう言いながら、
もう片方の手で薬指を撫でた。
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