「やった」
って喜ぶ仁が可愛くて、
それだけで胸がキューンとなる。
でも可愛い仁は、ここまで。
絡み合う舌。
激しいキス。
仁の濡れた髪が頬にあたる。
少し唇を離しては、また角度を変えてキス。
服の下から滑り込む手。
そうして、そのまま……止まった。
あたしの顔を見て目を見開くと
「……ノーブラ?」
そう呟いた。
「え? あ、うん?」
答えたあたしに、ニヤッと笑みを見せる。
「綾、えっちー」
「えっ!?」
あっ!
もしかして、ヤル気満々だって思われた?
違うの!
ブラ持って行くの忘れてね?
取りに行ってまで、するの面倒だしね?
てか普段は、寝る時ノーブラ派なのよ!
なんて頭の中で必死に説明するも仁に、その声は届くわけなく。
「違っ……ん……」
その言葉は伝える暇なんて与えられるわけがなかった。