「綾さん?」
だって!
だって!
だって!
上半身裸だよ?
髪も濡れててさ?
あたしと同じ香りするんですけどー!
「綾さん、真っ赤なんですけど」
「……だって」
チラッと見ると笑いを堪えてて。
「なぁ、綾さん?」
「え? ななな何?」
そんなあたしの頬を、
仁の両手で包まれて目を合わせられた。
少し首を傾げながら、にっこり笑い
「さっきの続き……してもいい?」
そんな顔で言われて。
そんな声で言われて。
そんなこと言われて。
断ると思ってるのかな?
返事なんて決まってる。
「うん」
あたしの返事への、
返事は軽く触れるだけのキス。