「何笑ってん?」



突然かけられた声に、
ビクッてなって振り返った。



「仁!? 寝てたんじゃ……」



一人で笑ってたことを見られていたのが恥ずかしくて、真っ赤になり俯いた。


それを見てクスクス笑いながら、



「あーうん。寝てたけど……ごめんな?」

「ううん! 気にしないでいいよ? もう寝る?」



話が変わってホッとしたのも……つかの間。


また仁の悪戯な笑顔復活。

もしかして?



「で、何で笑ってたん?」



うぅ……やっぱり。



「え? 笑ってた……かなぁ?」



なんて無理のある逃げ言葉。


そんなあたしを見透かしたかのように突っ込む。



「あれを笑ってないって言ったら嘘つきやで、綾さん」

「あは」



だよね?


でも、
仁の事を考えて笑ってたなんて……
口が裂けても言えません!


だって怪しすぎるじゃん。


言えない!

絶対言えない!