《綾さん、おはよ》
「おっ、おはよ♪」
見えてないのに、何だか赤くなっちゃう頬。
それがバレてるかのような仁の声が響く。
《準備してる?》
「うん、もうバッチリ!」
《え? もうバッチリなん?》
あ……張り切ってるのがバレた?
「あー……うん?」
なんて言いながら、
さっきよりも赤くなる頬を片手で押さえた。
《実は……俺も、もう着いてたりする》
少し照れた仁の声。
「え? 着いたって下に?」
《うん》
「すぐ行くっ」
そう電話を切って、鞄を持った。
だって、仁も楽しみにしててくれたって事だよね?
それってすっごく嬉しいっ!
あたしと同じ気持ち。までは、いかなくても。
近い気持ちってことだよね?