また、やっちゃった。
街頭が地面を照らす中、
見上げた先は高層マンション。
そう仁の家。
礼子ちゃんに後押しされ、
つい勢いでここまで来てしまったけど……
あたし何してんだ。
ここまで来ると本当にストーカーじゃん。
自己嫌悪に陥り、
もう一度マンションを見上げた。
仁、もう帰ってんのかな?
それとも、今日も敦君の家に行ってたり?
はぁー……。
あぁ、溜息ばっかりが出る。
それよりも、もし仁がここで帰って来たら
『おかえり』
って顔出すの?
それってキモくない?
そもそも、家に帰ってたら会う確立なんてないに等しいし。
あたし、何も考えてなかった。