そこには私服姿の仁が居て。
それよりも、
黒のエプロンに、
白のブラウスを着た
礼子ちゃんに驚いた。
何でここに礼子ちゃんがいるの?
バイト……同じなの?
いつから?
あたし、そんなの聞いてない。
「昨日言ったこと、嘘じゃないから」
昨日言ったこと?
「ちゃんと考えて返事して? あんなのじゃ納得出来ないよ」
返事って?
「……ごめん、今は考えてる余裕ないねん」
「酷い……」
そう今にも泣き出しそうな礼子ちゃんに
仁が手を差し出した。
「本間ごめん。俺、礼子は楠木のことが好きなんやと思っててん。だから考えられへんわ」
そう言って、
礼子ちゃんの頭をポンポンと撫で、
もう一度
“ごめん”
そう言うと仁は歩いていってしまった。
な、に?
どういう意味?
もしかして礼子ちゃん、仁に告白したの?