それから、携帯を15秒に1回は見ている。



だって、仁からの返事が……

来ないんだもん。



授業中かな。

でも休み時間に携帯チェックくらいするよね。


溜息をついては、チラッと見える千恵を睨み。

そして、また溜息。



もう、仕事なんて知らない。

たかが恋で、仕事が手につかないとか大人失格だよね。

でも、それくらいに仁が中心なんだ。


自分でも駄目なのはわかってる。


わかってるんだけど。

泣きそうだよ。



――ブブブブブブブ……

携帯がポケットの中で振動する。



開いたメールは仁!



なのに、あたしの手は止まったまま。



“ちょっとの間、忙しくて会えない”



だって……。



やっぱり送るんじゃなかった。

勇気なんて出すんじゃなかった。