「夏やったら海入れたのになぁー」
道路を挟んで広がる
12月の澄んだ海を見ながら仁が呟いた。
「だね~」
仁の見つめる先を見ながら、
あたしも頷いた。
夏なら仁の水着姿見れたのに!
大きな浮き輪とか一緒に使っちゃったりしてさ。
密着度アップで。
……ヤバ、良すぎる!
妄想しまくり中のあたしは、
ふと視線を感じ目線を向けた。
「綾さん……」
えぇ!?
あたし、心の声出してた?
「ち、違うの仁! 今のはね……」
「それって」
必死に言い訳を考えるあたしと、
何故か視線のズレてる仁。
ん?
仁が見つめる先は、
あたしの肩らへん。
「え? 何かついてる?」
服を引っ張りながらも何もない事を確認して、顔をあげた。