「彼氏、気付いてないんだ」

「そうなんだよねぇ。でも、あたしからソレを言うのは変でしょう?」



礼子ちゃんは仁が好きなんだよ。

そう言ったところで、どうしようもないもん。

もし、あたしが逆の立場でも困る。

告白されたわけじゃないから確信はわかんないし。

かと言って、あたしのこと好きなの? なんて聞けるわけないし。

今まで仲良くしてたのに急に避けるのも変じゃんね。



「確かにねぇ」



軽く頷きながら、あたしの言葉に相槌を打つ。



「だけど不安なんでしょ?」



空になったビールを店員さんに渡し、
新しいビール瓶を受け取ると、
あたしのコップに注いだ。



「……うん」

「なら、言ってみるのが1番だよね」



そうなんだけど。



「でも実際は中々言えないよねぇ」



そうなの。



「難しいところだね」



だーよーね。