周りを見渡すと、
恋人同士は手どころか腕まで組んでるのに。
あたしなんて、手だけで……
「真っ赤」
そうあたしを見下ろして笑う仁。
そう、その通りです!
てか、仁もさっきまで真っ赤だったくせに、もう余裕の顔。
悔しいけど、
余裕のないあたしは下を向いて赤い顔を隠した。
「可愛いー」
なんて!
ボボボボッと、真っ赤な顔から煙まで出ちゃったよ。
ギュッと力を込めたかと思うと、
グィっとあたしを引っ張って
「行こう、綾さん」
そう満面の笑みを零して、
あたしの最高にドキドキするクリスマスデートの始まり。