「……まじ?」



そう聞く仁に、
あたしは返事出来ない。

だって恥ずかしいし。

それより、あたしの醜い心もわかってしまったのかな。って。



「前にも言ったと思うけど、礼子はいい感じの奴がおるんやで?」



それは、仁だけがそう思ってるんじゃない?



「それに俺は礼子のこと、そういう感情でみたことないし」



本当に?



「礼子もそうやと思うもん」



仁のバカ。気付いてないだけじゃん。



「ん~、もし万が一違う方向へといっても。って、絶対ないと思うけど。俺は綾さんだけやし」



本当に、本当?



チラッと見上げた仁は口に手を当て、
顔を真っ赤にして横を向いていた。

その姿に、心臓が締め付けられるくらいキューってして。



「本当?」



そう首を傾げた。



「ん。こんなん言うんも綾さんだけ。本間は目茶苦茶ハズイんやからな」



ちょっと悪戯に言った仁は、
あたしの頬に手を当てて負けた。って顔をしたんだ。