「い……」
「い?」
優しく微笑んでるのに悪いけど……。
「いやぁぁぁ~!」
「え……?」
叫ぶあたしに不思議そうな顔を見せる。
だって、だって、だってー!
洗いっぱなしの髪に、前髪はピンで止めて。
部屋着満開。
ノーメイク。
好きな人に見せる姿じゃないって!
しかも、ビール……
おつまみの残骸。
「俺来たあかんかった?」
顔を下に向け、
首をおもっきり横に振る。
なるべく顔は見せたくない。
駄目なわけないじゃん!
駄目なのは仁じゃなくて、あたしだよ。
「今日、様子変やったから気になって…」
気付いてくれてたの?
「実は……打上抜けて来てたり?」
え、本当に!?
「……俺、ウザイ?」
まさか!
ウザさは、あたしの方が勝ってるから大丈夫だよ。
てか、仁が何をしても、あたしは絶対にウザくないもん。