メールが来た時は電話じゃないって膨れてたくせに。

メール内容で、コロッと変わって。

今日会えるってだけで、今日のモヤモヤが飛んで。


あたしの中心は仁だけなんだ。


仁に会える♪

会える♪

会え……



なぁーいっ!



何であたし、お風呂入っちゃってんだ?

何であたし、化粧も落としちゃったんだ?

何であたし、髪洗ちゃったんだ?



しかも…何で部屋着なの?



せっかく今日、気合入れたのに……全部無駄になってんじゃん。



最悪過ぎる~!



あ、そっか。

今から用意すればいいじゃん。



仁が来るまで、余裕あるよね。

まだ打ち上げ終わってないって言ってたし。



停止したままのDVDを消し、
ビールの空き缶から片付けようとビニール袋を持った時だった。



――ピンポーン



「~~~♪」



あたしの鼻歌とリンクするチャイムの音。


機嫌のいいあたしは、

何も思わず、

確認もせず、

ドアを開けてしまった。