送ったメールの返事が何て返ってきたか不安になりつつもボタンを押すと、
“誰? その俳優? そんなDVD観たあかん”
――きゅーん……
はいっ!
捨てます。
こんなDVD!
えへ♪
俳優さんにヤキモチだなんて。
さっきまでの妄想は、いずこへ? てなくらいに、一気にあたたかくなる胸の中心。
バカップルとも言えるメール内容に素直に赤くなってしまう。
恋って恐ろしいっ。
ま、携帯を持ちながらニヤけるあたしが1番恐ろしいだろうけどね。
すると、また携帯が鳴った。
“自分で自分がキモかった……今のナシな?(笑)”
なんて、ナシになんてなるわけがないじゃん!
カチカチと素早くボタンを押して返信。
“やーだ! 保護っとく♪”
あたし、メールなら素直じゃない?
本当の気持ち言えちゃうし。
実際、保護るけど。
“あかんて! 打上終わったら、消しに行く!”
続いて来たメールを見て、
あたしの顔から笑みが飛んでいく。
え……?
打上終わったら来てくれるって意味だよね。
今日……会えるの?
嘘、嬉しい。
本当に本当?
礼子ちゃんと朝帰りしないんだ。
妄想の世界と、
現実の世界の区別もつかず、
未だ妄想女。