「それと、私はいいと思うよ。仁にその気持ち言っても。仁なら受け止めてくれるって」



千恵の顔を見ると、
ニッと笑っていて。

口には出さなくても、
あたしの思っていたことが伝わったのかな。


多分、千恵はわかってる。


あたしが、考えていたことも。

あたしが、言えないことも。


そんな、あたしの腕を掴んで、



「もしもの時は、大丈夫♪今日いっぱいゲットしたから♪」



わざと携帯を顔の横で振り、元気をくれる。



「やだぁ~……仁がいいー」

「やだぁ~って! 私とセレブになろうよ?」

「えー……」

「私がセレブになったってランチおごってやんないからねー」

「あ、それは、困る」



あたしは面倒臭い女だと思う。


言いたいことは沢山あるのに、
それが言えなくて悩んでるんだもん。

だけど千恵は、
最終的にそれを鬱陶しいとは言わない。


どんな子でも多少なりある気持ちだよ。

と理解してくれようとする。



いつも辛い時、
笑えるのは千恵のお陰。


今日だってそうだったんだ。

そうだったんだけど。