なーんて
一人考えていたあたしの携帯が仁からのメール受信を知らせた。
ヤバッ!
もう、着く!?
メールを見てすぐに返信した、
あたしは大慌て。
鍵? 鍵? 鍵ー!
あった!
何で急いでる時に限って鍵って見付からないんだろねー。
急いで玄関のドアに鍵をかけ、
パタパタ走ってマンションの入口に着くと、
いつもの優しい笑顔を見せた仁が居た。
「おはよっ」
「おはよー、綾さん」
目が合っただけで赤くなってしまった、
あたしは下を向く。
そんな、あたしの耳に届いた仁の小さな笑い声。
う……照れてるのバレたかな。
そのまま顔をあげれずにいたら、
「え? な、何?」
あたしの毛先を指でクルクル絡めて……いや、遊んでる?
それに驚いたあたしは、
キョトンとした。
「髪クルクルしてるやん」
「あっ! うん。巻いたの」
「器用やなー」
にっこり眩しい笑顔が眩しいっ。
髪巻いて良かったっ!
コテ最高ー!
ヤケドした指も首も気にならなーい。