「あ、広瀬君来たよ!」



窓の外にパンツが見えるんじゃないかってなくらいに身を乗り出した女の子が、
千恵の隣に居た女の子に声をかけた。



広瀬……?
あ、仁のことだ。



「え、どこ?」



同じように窓の外を見下ろし、
キョロキョロと探す女の子達。



仁って、そんなに人気あるのかな。

何か、皆ソワソワしてるし。



暫くすると、騒がしくなった廊下。

あたしの見える範囲では、女の子ばっかりなんだけど。


時折聞こえる



「広瀬君、一緒に回ろう」



って声で、仁がその中にいることだけは、わかった。


女の子達の甘い音色が、あたしに危機感を抱かせる。



やばい。

もしかしなくても仁、モテてるよね!?