えーっと。
これ、あたしには止めれないよ?
だって千恵、気が強いんだもん。
あたしには無理だよ。
チラッと敦君に視線を送り、助けて! と目で訴えた。
それを分かってくれたのか
「俺の姉貴だけど?」
火花が散りそうな2人の間にサラッと入ってくれる。
敦君の言葉に今まで睨んでいた女子高生が
「え、お姉ちゃん居たの?」
目を丸くして、
「こんにちはー」
今度はにっこり笑顔。
……何、この変わりよう!
さっきまでキレていた千恵も、
女子高生のVIP待遇に機嫌直しちゃってるし。
どこのお店が美味しいとか。
どこにかっこいい子がいるかとか。
既に友達になってる。
にしても、仁居ないなぁ。
千恵の隣で、あたしはキョロキョロ辺りを見回してしまう。
「もうすぐ来ると思うよ」
それに気付いた敦君が小声でコッソリと教えてくれた。
そっか♪
……って、とこまでは良かったのよ。
あたしは知らな過ぎたのかもしれない。
高校生の仁を。